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内定の取消しと辞退

学生が採用内定を受けると、一般に、学生と会社の間に始期と解約権の留保が付いた労働契約が成立したと考えられます。そのため、会社が内定を取り消すことは解雇に当たり、会社が内定を取り消せる場合は限られます。一方、学生は内定を辞退できます。

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採用内定の法律上の意味

採用内定に法律上の定義はありません。厚生労働省の説明では、採用内定とは、一般に、働き始める日(始期)が決まっていて、内定通知書や誓約書に記載された取消しの理由が生じた場合は会社が解約できる(解約権の留保)という条件を付けて、労働契約を締結した状態のことです。一方、内々定を受けた段階では、多くの場合、労働契約を締結したとまでは考えられません。

会社が内定を取り消せる場合

内定の取消しには、解雇と同じく労働契約法16条が適用され、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない取消しは無効です。最高裁の判決(大日本印刷事件)では、内定の取消しが認められるのは、内定のときに知ることができなかった事実を理由とし、その理由で取り消すことが合理的で相当な場合に限られます。

また、会社が新卒の学生の内定を取り消すときは、あらかじめハローワークに通知する必要があります。厚生労働大臣は、2年度以上続けて内定を取り消した会社や、同じ年度に10人以上の内定を取り消した会社などの名前を公表できます。2026年3月に卒業した学生について、内定を取り消した事業所は29、内定を取り消された学生は80人でした。

学生が内定を辞退するとき

学生は、内定を辞退できます。厚生労働省の説明では、会社は、学生の意思に反して働くことを学生に義務づけることはできません。ただし、内定で労働契約が成立している場合は、学生の一方的な辞退は契約違反になるおそれがあります。同じ説明では、辞退の事情によっては、学生が損害賠償の責任を負う場合があります。辞退を決めたら、早めに会社に伝えましょう。

内定承諾書と辞退

内定承諾書とは、学生が、内定を受けてその会社に入社する意思を会社に伝える書類のことです。内定承諾書に法律上の定義はなく、会社ごとに名前と書式が違います(入社承諾書・誓約書など)。

学生は、内定承諾書を提出した後でも、内定を辞退できます。民法627条1項は、期間の定めのない雇用について、働く人はいつでも解約を申し入れることができ、申し入れた日から2週間で契約が終了すると定めているからです。ただし、内定承諾書を提出した後の辞退は、会社の採用の予定に影響します。そのため、学生は、内定承諾書を提出する前に、ほかの会社の選考の予定と照らし合わせて、提出するかを決めましょう。

内定を取り消されたときの相談先

内定を取り消された学生は、新卒応援ハローワークに相談できます。新卒応援ハローワークとは、学生と卒業してからおおむね3年以内の人が無料で使える国の窓口のことで、全国に56か所あります。また、学生は、就活エージェントでもほかの会社の紹介を受けられます。

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出典

厚生労働省「採用の内定・内々定について、取消や辞退する場合の注意点」

e-Gov法令検索「民法」(第627条)

厚生労働省「令和8年3月新卒者採用内定取消し等の状況を公表します」

厚生労働省「新規学卒者の採用内定取消し等に係る事業所名公表の取扱いについて」

厚生労働省「新卒応援ハローワーク」